News>2017.01.03

 

【コラム】 マネジメントの意味合い

 

マネジメントとは何か?これほど単純で簡単でかつ、答えるのに手間取る質問はありません。わが社では、マネジメントができてない、またはマネジメントの質が良くない。はたまた、マネジメントの仕方なのか、それともマネジメントを実践ができていないのか。そもそもマネジメントという用語は、英語から生まれ、そして英語で語ったとしても、捉えどころのない用語でもあります。欧米人のビジネスマンでさえ、マネジメントと聞かれて、きちんと説明できる人は、それほど多くはありません。そもそもマネジメントと用語自体が、実は凄くあいまいな言葉なのです。

 マネジメントという用語を定義し、そして社会制度に必要な機能として位置づけたのが、PFドラッカーです。組織の成果を定め、達成するために、人と組織を動かすこととしました。そもそも彼の時代には、フォード型に代表されるような大量生産時代(マスプロダクション)から、消費者のニーズに合わせて多品種少量生産への転換期でした。以前のように、比較的、単純作業が主となる労働者の役割を定め、監視し、大量に生産することのみならず、そもそも顧客のニーズは何か、はたまた社会における自身組織の役割と貢献を何か、見直す必要が生まれました。

実際にマネジメントという用語が使われる場合には、いくつかの意味にわかれます。マネジメントとは1)機能(Function)、2)プロセス(Process)、3)管理(Control)、4)学問分野(Discipline)5)経営陣(Managers)です。

まずは1)機能としてのマネジメントは、ドラッカーが言ったように、組織の外部環境から大局的にマネジメントを位置づけます。当該組織全体の成果をさだめ、そして達成する機能全般がマネジメントであるわけです。

次の2)プロセスは、より組織の内部プロセスにさだめます。当該組織のミッションやビジョンを策定し、それを達成するために、方針を策定し、具体的計画を作り、実行し、監視し、最後に成果を測定する全般的なプロセスだといえます。

次の3)管理ですが、本来は管理(Control)とは、マネジメントの一つのプロセスであり、すべてではありません。がしかし、実際にはよく使用されている意味でもあります。例えば人的マネジメントやITマネジメント、セールスマネジメントなど、マネジメントがついていても、実際には売り上げ予測と実際の売り上げの進捗管理だったりもします。

さらに4)学問分野として、よくマネジメントスクールなどがあげられます。ビジネススクールとマネジメントスクールの二つが言われますが、厳密には両者の意味合いはことなります。ビジネススクールといえば、営利団体(Profit organization)が学ぶ対象となりますが、マネジメントスクールといえば、非営利団体(Non-profit organization)まで学問の対象として含み意味合いがあります。より社会科学を中心とした学問分野をもつスクールだともいえます。

最後に5)経営陣のように、マネジメントは、マネジメントをする人、つまりマネージャーも意味します。これはマネジメントエグゼクティブのように、マネジメントという用語そのものが、日本語でいう経営陣にあたるわけです。あの会社のマネジメントは優秀だ、などという場合には、機能やプロセスではなく、経営陣のことをさします。

 マネジメントとは、日本語ではなく、英語で生まれた用語です。ただでさえ曖昧な用語が、さらに日本語に訳した時点で、大きな誤訳や混乱が生まれやすくなるのです。日本語では、マネジメントとは経営ですが、人をさす場合には、経営陣です。またマネジメント機能をかたる場合には、そもそものどの範囲を示すのか、確認が必要です。全社のマネジメントなのか、セールス部門だけか、それとも人材なのか。この曖昧さはマネジメントだけに限らず、他の英語から日本語に訳されたすべての用語につながります。例えば近年学問分野としてとらえられるアントレプレナーシップ(Entrepreneurship)も、日本語だと起業家精神などと訳されます。しかし、アントレプレナーシップの意味は、精神のみならず、その活動と成果まで含み大きな概念です。そして、おそらく日本語ではアントレプレナーシップに当該する言葉は見当たりません。英語で生まれた用語は、そのまま理解する必要があります。 

マネジメントとは何か?日常で使われる用語の定義とその意味の的確さが、日常業務のコミュニケーションを潤滑にし、ひいては効率化につながります。ぜひ自身の業務から振り返ってみてください。意外な発見があるのではないでしょうか。