News>2009.05.16

 

【コラム】”目標と報酬の良い関係”

 

目標とすべき予算と報酬を結びつけ、予算金額の達成度合いに応じてボーナスが決まる。組織を財務的にコントロールするのが予算制度ですが、 弊害も少なくありません。

期首に予算を設定し、期末に予算の達成度合いにより、受け取るボーナスが決まります。特にIT企業の営業に当てはまりますが、達成すべき予算と報酬を単に結びつけるのは硬直的な側面もあります。外部環境の変化があまりにも劇的な場合は、予算制度が環境変化に対応できません。例えば昨年からの金融危機で外部環境が劇的に変化するなかでは、期首に決めた予算は説得力を持ちえないでしょう。

ではどのような予算と報酬の関係を打ち出すべきなのでしょうか。

米国GEの例では、個人や事業部に対する報酬とは予算の数字とは関連付けされてません。前年の業績あるいは競合相手の業績と比較 して成長率や利益率が評価され、現実的な戦略機会と障壁を考慮に入れて報酬が決められるとのこと。* つまり報酬の基準とは、期首に決めた予算達成ではなく、競合他社以上の成果を挙げたのか、または昨年度よりも事業を成長させたのかに焦点が当てられています。

これはマーケット志向の業績評価であり、昨年の業績を上回り、競争相手を打ち勝つことが論点です。彼らの予算目標とは、報酬を左右するものではなく、方向性を示すものであり、予算は『最善を尽くした場合』のものになります。精一杯背伸びした目標値を、ストレッチ目標であるとも表現しています。

ただしこのマーケット志向の業績評価には、明快な競合他社と事業領域が前提になります。直接的な競合が存在しない、独創的な事業領域を設定すると、社内の業績評価に繋げるのは難しくなります。例えばディズニーランドの競合他社は、映画産業や遊園地事業でしょうか、それともアニメコンテンツ産業でしょうか。この場合は競合他社と同時に成長率や事業機会を評価に加え全体で見なければ、説得力ある評価ができないでしょう。どのようにして報酬制度を業績評価に組み込むか、妥当性と動機付けが鍵ではないでしょうか。

出所) *「ウィニング 勝利の経営」 ジャック・ウェルチ著を参照