News>2008.05.16

 

【コラム】”市場の再考 Back to the basics!”

 

マーケティング分野において、大前提となるべき論点があります。それはどのような考え方で市場を定義しているかです。

攻略すべき市場(Market)はどこか。国内PC市場、富裕者層、キッズ市場などなど、明快な回答があります。では一歩進めて、攻略市場をどの軸で定義しているか、国別、製品別、それとも顧客特性別(産業別、規模別、デモグラフィック特性別)、また果たしてその市場の定義が自社にとって妥当なのか。 

特に業界や製品がダイナミックに変化している場合に、上記の質問は大きな意味を持つでしょう。この質問に、マーケティングの大家、フィリップコトラー氏の言葉を借りて答えると、以下となります。"The set of all actual and potential buyers of a product or service" 日本語で言えば、”製品・サービスの顕在的潜在的購買者(消費者)の集団(固まり)”です。

また独禁法などで一歩進んでいる米国の定義を、 米国司法省 連邦貿易委員会 U.S. Department of Justice and the Federal Trade Commissionから抜粋します。

"A market is defined as a product or group of products and a geographic area in which it is produced or sold such that a hypothetical profit-maximizing firm......"

要は製品・製品群と地域により市場は定義されるとのこと。ただし産業や製品の進化とともに既存の定義では当てはまらない市場が出現し、混乱が起こります。

市場が変化すれば、市場のそもそも定義も見直す必要があります。日本の直近の例では、ビール市場からビール・発泡酒市場、第三のビール市場などへの変化や、保険市場における生命保険、損害保険、そして第三の市場である医療保険などの変化が見られます。

また日米によるプリンタ複合機をIT関連製品だとして、関税の撤廃を求めていますが、これは製品開発が既存の定義を超えてしまった例でしょう。(”日米、複合機などへの関税めぐりEUをWTOに提提訴”2008年5月)

興味深いのは、自社独自の視点による市場の定義です。例えば米国IBMがニーズ別市場として、Business Performance Transformation Services (BPTS)市場なるものを定義しています。

弊社が考えるMarket Entry(市場参入)とは、必ずしも国別市場参入だけではありません。 それは自社の定義から外れている市場、見落とされていた市場への参入も含みます。たかが市場、されど市場でしょうか。

ITなどの技術革新によりダイナミックな市場変化が見られる現在、マーケティング・事業担当者にとっては、継続的に考え、見直したいテーマです。